【続】俺様王子と秘密の時間
はーちゃんに夢の話をした。
「シイが見た夢の話。不気味よ」
そうなのだ。
一週間も経ったというのに、一週間も前に見た夢をあたしは今日も見たのだ。
二度も見るなんて不気味だ。
しかもあたしは同じ夢を見たというのに夢の中で酷い消失感を覚えた。
ただの夢だって思っても夢の中で感じた消失感というのがなかなか消えなかったのだ。
「なんか現実的」
「や、やめてよ」
「ほんとに起こりそうよね?」
「夢が現実になるってこと?」
「そうよ」
「でもよくわかんない内容だし」
あたしはパックのお茶を飲む。
どうしても大好きな苺ミルクを飲む気分にはなれなかった。
「夢が正夢になるなんてことは、すごく珍しい話じゃないと思うわよ?」
はーちゃんはそう言った。
正夢になってほしくない。
もし正夢になったらあたしは誰かを失うことになるのだから。
そう思った……。