【続】俺様王子と秘密の時間


「羽鳥なの?」

「……ああ」


一瞬驚いた顔をして言った羽鳥。

嬉しいのとどこか落胆した気持ちが交差していることに気づいた。



「あ、ありがと」


あたしってば変だよ。

どうしてちょっとガッカリしてるの?

羽鳥じゃない誰かを期待していたから?

羽鳥がくれたんだからもっと喜べばよかったのに。



自問自答していると西山先生が教室に入ってきたから、あたしは慌てて苺ミルクのキャンディが詰まったビンを鞄に押しこんだ。




羽鳥がキャンディをくれた日から一週間が経った。

10日もすれば終業式だというのに千秋と羽鳥とは全くといっていい程話していなくて、時間だけが無駄に流れていくようだった。



「不気味な夢」

「へっ?」


今は昼休みであたしとはーちゃんは、校舎と校舎を繋ぐ渡り廊下でお昼ご飯を食べている。

 

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