【続】俺様王子と秘密の時間


「なんかついてるぞ?」

「へ……?」


千秋はあたしの口元を人差し指でそっとなぞる。


そこにはクリームがついていた。

コレって……さっき食べたクリームパンのカスタードクリームだ。


そして千秋はクリームのついた人差し指をペロッとなめた……。



「甘すぎ」


きゃあああああああああ!

はっ恥ずかしい!




「お前、ケータイはどうした?」


うっ……。

アタフタするあたしは千秋からメールが着ていたことを思い出す。



「えっと……さっきメール開こうとしたら充電が切れ……」


言いかけている時、物凄い殺気を感じた。


チラッと横に目線をやる……。



「……っ!」


少し離れたところから、鬼の形相をした美結ちゃんがあたしをキッと睨みつけていた。


あたしは、まるで天使が悪魔になった瞬間を見てしまったような気分になり、ゾッとした……。

 

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