【続】俺様王子と秘密の時間
千秋の隣には佐久間くんが居て、あたしはそっとはーちゃんに視線を向ける。
だけど、はーちゃんは佐久間くんのことを見ても顔色一つ変えず烏龍茶に口つけた。
「あのバカ王子となんかあったのか?」
千秋と佐久間くんが通りすぎたあと、ムギュッと膨らませたあたしの頬っぺたを突っつく羽鳥。
そして切れ長の目を少し緩ませて無邪気に笑う。
「何もないもん……」
「なにお前?機嫌わりぃの?」
「……」
羽鳥は身体ごとこちらに向けて、沈黙するあたしを、やれやれといった瞳で見てくる。
プシュッ。
コーラのプルタブを空ける小気味いい音が響いた。
「シイは王子と付き合ってないの?」
うっ。
痛いとこを突かれた。
聞いてきたコウちゃんはニコニコ笑いながら、窓に背をもたれる。