カノジョ。
タツミさんはそういうと、どこかに電話をかけはじめた。


「じゃあ、きょうの夜、いつものお店でねー」


そういって電話を切る。



「リリ、きょうの夜空いてる!?」

「え、はい…」


「じゃあいこっか」

「え、どこに?」


「新宿!」



タツミさんはいつもの笑顔でそういって、
あたしの腕をつかんで歩き出した。



あたしはただ黙ってついていくしかなかった━━━━
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