君だけのサンタクロース
「そやなー心春とリキ君おつかい頼むわ。」
おばあちゃんはあたしに財布を渡すと言った。
「あ、野菜はスーパーより八百屋の方やで」
あたしとリキは“八百屋”と聞いて顔を見合わせて笑った。
手を繋いで道を歩く。こうすればリキとの距離は1ミリもないね。
街中にあたし達のことが噂されていて(犯人はばあちゃんか、江夏ママか八百屋のおじさんだな!)、顔を真っ赤にして歩くあたし達はそれでも手を離そうとしなかった。
スーパーに行って、おばあちゃんに言われた通りのモノを籠に入れてゆく。
チキンに、お菓子に、ジュースに、ケーキの材料。
「なんか新婚さんみたいだね!」
ってあたしが笑うと、「すぐ本当になるわ」ってリキも笑った。
それが、すごくすごく嬉しくて、もう一度てのひらを強く握りかえした。