好きだよ永遠に…番外編
悠さんはゆっくり歌いだした。
とても優しい、綺麗な声で…
さっきとは違う人が歌っているみたい…
耳にスーっと入ってくる。
もし、君があの時、この声を聞いていなかったら
今、この声を聞いている人はいなかっただろう。
君が耳を傾けてくれたから、俺はのびのびと歌える。
ふと顔を上げる。そこには一面綺麗な空が広がっていた。
この空の続く、ずっと向こうの人の所まで
この歌が届きますように。
ある日、誰かが言った。
俺の声は空みたいだと。
空みたいにゆっくり広がってゆく。
俺の周りには空がある。皆の周りにも空がある。
俺の周りには歌がある。皆の周りにも歌があればいいのに…
君は俺に言った。お前が皆に歌を配れ。
皆の周りに歌がある世界にしろ、と。
だから、俺は歌う。空のように…
空を愛するものより…歌を、送る。