地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
「ん……。」




ぐいっ…

!?





汗を拭いていた手首を掴まれ、ベッドの中に引っ張られる。




「おい…杏?」



引き込んだ俺に、ギューと抱き着く。


「はぁ…勘弁しろよ…」



軽くため息をつき、杏の腕を退かそうとする。




ギュっと手首を掴まれ、杏が俺の上に乗っかる。



……押し倒されてる?



「杏。目ぇ覚めたのか?」


「んん……陸しゃん?」



酒のせいで呂律が回ってない様子。




「あー陸しゃんだぁーー♪」



そう言って俺の首に顔を埋める。



完璧…酔っ払ってる…


正気なら、絶対にこんなことしねぇだろ。




首に顔をスリスリしてくる。



「犬みてぇだな?」
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