地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪





顔を見ると

長い睫毛に涙の後があった。



「また泣いてたな…」






指先で拭う




♪〜〜〜♪〜〜〜


ケータイが鳴る。


「……はい。…………わかったよ、今夜部屋行くから。じゃあな、咲(さき)」



通話ボタンを押し、電話を切った。









もう一度杏樹を見る。




スヤスヤと穏やかに眠っていた。






頭を撫でる。





小さく笑うと



保健室を出た。











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