龍の世界

静寂の中、ゆらりと影が揺れた。





「葉紅(はく)様…お呼びでしょうか」


闇に紛れても怪しげな光を宿す漆黒の瞳。

現れた大きな望月により、彼の面差しが現れる


卑しく細められた瞳と、楽しげに歪む薄い唇。






「うん、もうあんまり待てそうにないんだよ……早く連れてきて、僕の龍を。君なら出来るよね……」


「御意。私はアレ等だけ頂ければ後は何も求めません」


「うん、いいよ。君が欲しいものは僕には必要ない…。好きにしなよ」





男はふわりと微かな残り香を残し、部屋から出て行った。







「あいつに狙われるなんて可哀想…」









葉紅は再び月を見上げた。








その口元は愉しげに歪んでいた。












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ノンフィクション・実話51ページ

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2010年8月4日執筆開始 2010年8月4日 パパが、肝細胞癌だと診断された 大学一年生の私は夏休みが始まってすぐ。 今年の三月くらいからパパは体調が良くなかった。 私たちは大したこととは微塵も思わず、その頃は笑っていた。 けど、7月31日ママの誕生日に、パパは夏休みで単身赴任先の埼玉から帰郷。 やはり体調が戻らず、近くの掛かり付けの病院に行ったところ、直ぐに大きな病院へ行くようにと言われた。 そして緊急入院して次の日… パパの腫瘍は悪性だった… うちの家族は本当に仲が良くて、パパは特に家族が好きだった 恥ずかしげもなく、「うちの娘は世界一かわいい」と、親ばかは親戚みんなが知っていた 享年49歳 2011年1月2日 午前1時55分永眠 パパと私たちの半年間 4人で居られればただそれだけで幸せだった

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