もうあきらめない



わたしを取り出してくれた医師や看護師は、産声を聞いて驚いたと言う。


今まで何人もの産声を
聞いてきて
不審に思わないはずがない。




だってわたしは
まるで仕方なくというように、泣いていたのだから。




自分で覚えているわけじゃない。


だけど、なんとなくそうだったんだと分かる。


きっと本能ってやつだろう。


じゃなきゃあの頃のわたしがなくわけがない。
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