-KAORI-


――次の日

あたしは滲み、広がる赤い血痕をただただ見ていた。

「なにやってんの。」

急に笑いが込み上げてきて、腹を抱えて笑った。

右手に持ったカッターが、音をたてて落ちた。

血に染まったカッターの先を、指でなぞる。

すると、指は赤い線を作り、また傷を増やした。

ピロピロン

今日のケータイは、やたらと鳴る。

あぁ、今日は終業式か。


【受信メール】

―清水さん

今日くらいは、
学校来いよ。

健太郎なら来てないから。
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