-KAORI-
『いや、あのさ…。』
「その傷、お父さんがつけたの?」
お母さんの顔を見ながら、お父さんに聞くと、少し動揺しながら俯いた。
前も、お母さんに傷があることは何度かあった。
それも、お父さんからされたって教えられなかった。
人を傷つけるお父さんと、自分を傷つけるあたし。
どこか似ているのかもしれない。
それに被害を受けるお母さん。
あたしは、なにも言えないまま二階にかけ上がった。
「うぅっ…。」
あたしは、家族が大好きだった。
離れるなんて、思いもしなかったのに。