-KAORI-

「ただいまぁ。」

『篠山さん、いた?』

「ご飯作ってたから、お孫さんにお礼言っといた。」

『そう。ごくろうさん。はい、梨とスイカ。』

梨にフォークを差して、口に運ぶとなんともいえない感触と甘い香りが口に広がった。

「んまぁ〜い!」

『でしょう?』

何故おばあちゃんが得意気になってるのかは知らないけど、このままがいいと初めて思った。

『あっ、そうだ。真由美が、新しい家が見つかるまでここにいるって言ってたよ。学校は…、行く?』

「…落ち着いたら行こうかな。」

自分でも分からなかった。

健と風とみんなと黒川先生。

誰も会いたくなかった。
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