-KAORI-

弘貴はあたしの頭を撫でると、水を出してくれた。

「あぁ、ありがと。」

『今日用事は?』

「ない。でも一応家帰ろうかなー…。」

『じゃ、送ってくよ。』

「ありがと!」

あたし達は、そこまで遠くもない弘貴の家から原チャであたしの家まで行った。

「じゃあね。」

あたしがばいばいを言っても、離れようとしない弘貴。

「どうした?」

『…帰りたくねぇ…。』

「もぉ、どうした?急にさ〜…。」

また黙り込む弘貴の手を握った。

「また明日会お?」

『…おう。またな。』

「ばいばい。」

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