気付けば溺愛
披露宴会場を出ると、同期達が私を待っていた。

「お待たせ」

「おう。持ってやるよ」

待っていてくれた同期5人の中で、最初に声をかけ、手にしていた引出物の入った大きな紙袋を取り上げたのは拓真。

仕事ができ、見栄えも良く、情に厚い自慢の同期。

……そして、私の気持ちを引きつけて引きつけて。

期待させて惑わせて。
……すっと逃げていこうとしている、ずるい男。

それでも尚。

私にとっての愛しい人。


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