恋めぐり
それは、永遠とも思える長さで、

けれど永遠なんてないことを私達は知ってる。


「すまない。時間がないんだ」


私の最後の時が迫る。


「そう。ちょっと待ってね」

私は、取って置きのアロマキャンドルに日を付けた。

淡い薫りが部屋に立ち込める。

良い薫り

母が好きだった藤の薫り。

「今度、生まれ変わったら、桜と藤の咲く国にするわ」
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