恋めぐり
屋上のコンクリートの上に仰向けになっていると、雪が降って来た。


白い雪。

この勢いなら積もるかも。

このまま埋もれて消えてなくなっても良いかもと思ってしまう。

そんな排他的なこと考えてしまうのは季節柄みたいなもの。


目を閉じると、雪が降る微かな音が聞こえてくるの。

父が教えてくれた。

雪の音は小さくて、一人きりの時じゃないと聞こえない。

私が一人でも平気な様に寂しくないように教えてくれたこと。
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