恋めぐり
男が店の店主カーラを呼び、何かを注文した。

オウリは男から視線を外して、爪に目を落とした。

青いマニキュアの細い指。

そろそろこの色にも飽きてきたな。

今度は紫色にしようかな?

など全く関係ないことを考えていると、

目の前にグラスが置かれた。

中には琥珀色の液体。

ブランデーなのかな?

「頼んでないよ」

お酒を飲んだら、給料からちゃんと引かれるのがこの店のルール。


「向こうさんからあんたにだって」

カーラが目線で示す方を見ると

男がこっちを見ていた。
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