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「イバーエ、第三言は決して口にしてはいけない・・・。今、気持ちをノせていたら、どうなってたかわからないぞ。」
「わからないって・・・いったい何が起きるのさ?」
「だから、わからないんだよ。使った事はないからな。」
驚いた。じいちゃんほど言術に長けている人が、使った事のない言術があるなんて信じられなかった。
「まさか、じいちゃんが使った事ないなんて・・・。そんなのあり得ないよ。」
「いや、本当だ。第三言については、どの書物にも解説は載っている。しかし、その解説には必ずと言っていいほど、使ってはいけない。使ったら、この世がどうなるかわからないと書いてあるんだよ。だから、イバーエ・・・お前も、決して第三言は使ってはいけないよ。」
そこまで言われると、怖くて使う気にはなれなかった。
「はい。」
返事をしてから、気になる事を思い出した。
「ねぇ、じいちゃん、聞いていい?」
「なんだ?」
「第三言は使っちゃいけないってわかったけどさ、第一言と第二言は何が違うのさ。」
「あぁ、そうか。それを話してなかったな。」
「うん、教えて。」
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