光る花
画廊のオーナーは40代の上品な女性だ。
もとはご主人の画廊だったが、ご主人がなくなられてから、
彼女がオーナーを勤めている。
いつも柔らかな笑顔を絶やさない彼女に雄一は好感があった。
気難しい雄一も、そのいつも穏やかな彼女の笑顔の前では心が緩んだ。
それに奥村ご夫婦の絵画への思いが自分の絵に対する思いとしっくりきていた。
奥村夫婦との出会いは4年前だった。
奥村氏は絵画を心と同じ扱い方をしてくれる。
そういう人だったから、雄一はすぐにこの画廊での展示を決めたのであった。
それまでは自分の絵で商売をする気にはなかなかなれなかった雄一だった。
雄一は若い頃から天才だともてはやされていた。
だがそのどれもが、自分の才能にたかるハイエナのように思えた。
もちろんファンは純粋に自分の作品を愛してくれる。
そしてその思いのまま仕事の話をもちかけてくれる、そういう人もいた。
だがたいていは組織自体がその思いを持つ事はない。
利益、儲けの話の世界。
雄一はそれが嫌で仕方なかった。そしてやがて嫌悪に変わった。
もとはご主人の画廊だったが、ご主人がなくなられてから、
彼女がオーナーを勤めている。
いつも柔らかな笑顔を絶やさない彼女に雄一は好感があった。
気難しい雄一も、そのいつも穏やかな彼女の笑顔の前では心が緩んだ。
それに奥村ご夫婦の絵画への思いが自分の絵に対する思いとしっくりきていた。
奥村夫婦との出会いは4年前だった。
奥村氏は絵画を心と同じ扱い方をしてくれる。
そういう人だったから、雄一はすぐにこの画廊での展示を決めたのであった。
それまでは自分の絵で商売をする気にはなかなかなれなかった雄一だった。
雄一は若い頃から天才だともてはやされていた。
だがそのどれもが、自分の才能にたかるハイエナのように思えた。
もちろんファンは純粋に自分の作品を愛してくれる。
そしてその思いのまま仕事の話をもちかけてくれる、そういう人もいた。
だがたいていは組織自体がその思いを持つ事はない。
利益、儲けの話の世界。
雄一はそれが嫌で仕方なかった。そしてやがて嫌悪に変わった。