猫とうさぎとアリスと女王
 それは余りにも唐突で、僕はどうしたらいいかわからなかった。

電話も繋がらなければ、メールも届かない。
心配してタケの家へと行ってみれば、有り得ない光景が飛び込んできた。


何も無い部屋。

二人で眠ったベッド。
大好きな音楽を流したCDプレーヤー。
タケの匂い、空気、温もり。


全部無くなっていた。


けれど机の上に一通だけ手紙が置いてあった。



『飛絽彦へ』



それだけ書かれてある封筒。

それを見た瞬間に嫌な予感がした。



鼓動が自然と早くなる・・・。

どうかこの嫌な予感が外れて欲しい。


僕は手紙を読んだ。





手が震える。






味気ない白い便箋に書かれたタケの文字。








一体、どこへ行ったの?
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