猫とうさぎとアリスと女王
 ざわつく会場。
心配そうに見つめるイオのご両親。
泣きながらイオの腕を取る私。
狼狽する懸高氏。

その中でサボは声を張り上げました。


「誰か!救急車を呼んでくれ!
マコ、お前はすぐにイオの胃を洗うんだ!」

「胃を洗う!?」

「口ん中に指突っ込んで全部吐かせろ!早く!」




私はトラと一緒にイオを洗面所まで運び、喉奥に指を入れ、サボに言われたとおりにしました。
イオは苦しそうに胃の中の物を吐き出します。

そこにシーナがやってきました。


「イオは大丈夫?僕の方は全部やることはやったから。」

「シーナ!イオをお願いします!私、ホールに戻らなければ。
何かあったら困りますもの。」


私はそう言ってホールへと走りました。



ホール内は相変わらずざわついており、出て行こうとする人間にサボが静止をかけます。


「誰もここから出るんじゃんねえぞ!」


顔面に無数のピアスのついた人間がそう怒鳴れば、普通の人間ならば動けません。

私はサボの傍へと行きました。


「イオなら大丈夫そうです。」


私はイオのご両親にもそう伝えました。


「さあ、お偉いさん方。こっからが本題だ。」


サボはニヤリと笑って言いました。




「めまい、嘔吐、激しい動悸と頭痛。摂取すれば急速に全身症状が現れる。
それに次いでアシドーシスによる痙攣。
致死量を超えている場合は適切な治療をしなければ15分以内に死亡。」

「そこのガキ!何が言いたいんだ!」


サボは不敵に笑って懸高氏を睨みました。




「イオの飲んだお茶に、毒が盛られたって言いてえんだよ。」

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