こころの展覧会

まっすぐに向けられている視線からは威圧感があり、藍は目をそらすことも、微動だにすることもできない。


「……来い」


何も答えない藍の腕を、女性は掴んだ。
華奢な白い腕が、袖からのぞいた。
掴まれた腕は、どこにこんな力があるのかというくらい強い。

女性が足早に歩き出す。
藍は引きずられるようについていった。



   ☆



雨は止まない。
激しさをましていくばかり。

藍が連れて行かれたのは、やけに高い塀に囲まれた家だった。びしょ濡れのまま家の中に引っ張られ、一室へと押しこまれた。

そこは洗面台があり、白いかごが2つ置いてある二畳半ほどのスペース。すぐ目の前には、浴室の戸があった。

「使え。着替えは用意させる」

戸の向こうから、女性の声がした。
そしてすぐに、廊下の軋む音と足音が遠のいていった。

藍はすぐそばにある白いかごに、着ていた制服を丁寧に入れた。
 

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