硝子玉

「太陽・・私まだ思い出せないことがあるの」


「ん?なんだ?」


「中学の頃の記憶。そこだけがぽっかり空いてるの。」


言わなくちゃいけない



わかってる


でも、俺には言えない。


青空が父親に強姦されたなんて・・・


病室の扉がゆっくりと開いた。


そこには知らない青年が百合の花束をもって立っていた。



「全部聞いたよ・・・青空。」




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