遠目の子鬼

2) 親友と呼べる

予想通り翌日、英二の態度は冷たい物だった。僕が話しかけても、ろくに返事をしてくれない。


僕は英二の機嫌を損ねない様にするのに全神経を使った。


「なぁ、保孝…」


英二は机に頬杖をついて、背中越しに僕に話す。その雰囲気は暗い。


「え?な、なあに英二」


僕は精一杯明るく英二に答えた。


「幸せに、な…」


「――え?幸せになって…」


「昨日の事、皆には黙っててやる。なっちゃんも保孝の事、好きだって言ってたらしいから、両思いだな。俺が入って行く隙なんか無い。幼馴染の保孝なら、安心してなっちゃんの事任せても良いと思う。だから、幸せにしろよ…」
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