遠目の子鬼

2) 子鬼の約束

「保孝、そうか良い名前だ。俺の事は又兵衛で良いぞ。多分お前よりずっと年上だけど、仲間だから呼び捨てで良い」


又兵衛は嬉しそうに僕を見上げた。


「そうだ、仲間に成ったんだから何か願い事を叶えてやろう。何が良い?」


僕は、ほら来たと思ってさっと身を引いて又兵衛から離れた。


その態度を見て又兵衛は


「なんだよ、何警戒してるんだ?ふふん、いらん心配はするな、俺は善意で言ってるんだ。安心しろ、願いを叶える代わりに、魂よこせとは言わないぜ」


図星だった。


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