遠目の子鬼

4) 彼女のこころ

「僕が――思う事?」


「ああ、そうさ。保孝が、真剣に思う事。これが一番大切なんだ。それが無かったら、いくら俺の力を使ったとしても、こんなに早く、効果が出始める事は無いんだ」


「ふーん、そうなんだ」


「だから、保孝が、思い続ける限り、上達するし、自分の自信にもなるだろ?」


「うん、分かったよ又兵衛。僕、一生懸命やるよ。だから、又兵衛も力を貸してね」


僕は又兵衛に向かって右手を差し出した。


又兵衛も僕に向かって右手を差し出す。そして硬い握手。


「又兵衛、僕達、友達だよ」


「ああ、友達だ」
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