遠目の子鬼
その英二の様子に僕は少し引っかかる物を感じたが、それが何なのかは分からなかった。


ただ、何時もと少し違う。


そんな感覚だけだった。


「よし、俺も明日から練習頑張らなくちゃぁな」


英二が突然そう言うと自分の右手で自分の頬をばしばし叩いて気合いを入れると、にっこり笑って僕に向かって笑顔を作る。


僕は、その笑顔の意味が良く分からなくて、英二に合わせて作り笑いをすると「ははは…」と笑って答えてみせた。

         ★

「ねぇ、お父さん…」


居間のソファーでくつろぎながらテレビを見て居たお父さんに僕は尋ねてみた。


「ん?なんだい保孝」


とは、言った物の僕は、どんな風に聞いてみたら良いのか良く分からず、お父さんの顔をを見詰めたまま、黙り込んでしまった。
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