LAST-LIFE
「私・・・。耕助くんのこと・・・ずっと好きでした。付き合ってください。」

思い出すと吐き気すらする。
五時限目、英語の授業中に悩んでいた。
昼休みに言われた一言が原因である。

自分に告白してきたのは同い年の、それも耕助が思いを寄せている女子だった。

うまくいきすぎである。

単純計算で相手と自分が両思いになる確率を求め、気の遠くなるほど小さな確率がでると吐き気がした。

『かなりの低確率だな。うまくいきすぎてる。』

教師の目を盗んでペットボトルの中のお茶を飲む。

返事はまだしていない。
言葉を濁してきた。
うまく行きすぎてることが思考を働かせ、悩ませるのである。


授業に集中できないまま、時間は進む。

気付けば今日の授業はすべて終わっていた。
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