大好きな人にふられたときに読むお話
加奈子の場合
私は昨日、ふられた。分かってたけどね。宏樹がもう私を愛してないって。分かってたけど。悔しい。

私の彼は仕事人間だった。私は宏樹を癒せなかったのね。それどころか、困らせた。

「今日も仕事なの?」

「しょうがないだろ。分かってくれ」

「分かってるから宏樹と付き合ってるのよ」

私はそう言って宏樹にディープキスをした。宏樹はいつもうっとうしそうに軽く舌を絡めると、すぐに唇を離した。

「私とキスしたくないの?」

「今はそういう気分じゃないんだ。行ってくる」

そんな日が毎日続いた。
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