図書室のラブレター



もちろん、
ふらふらになって戻ってきた。


私は近くのベンチに
もたれかかった。




「もぅ…ダメ……」


「根性なし」


「だって……」


「少しそこで待ってろよ。
飲み物買って来てやる」



そして走って
売店の方に駆けて行った。




***




俺は考えていた。



本当は今日1日で
全てを奪うつもりだった。


なのに蓮実は簡単に
捕まってはくれなかった。


むしろ、蓮実は
晴樹への思いが高まる一方。


眼中に無いにも
ひどい扱いだった。



それに晴樹の話を
聞くためだけに何度も
キツイ絶叫系にもついて来た。


マジで笑える。



でもそれに
惚れていた俺にも笑える。



諦めたんじゃない。



ただ、あのバカップルを
相手にしてる余裕は
俺様にはねぇんだよ。


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