図書室のラブレター
「実はさ、最近気になる事が
あるんだよね」
「うん、それで?」
わざわざ身を乗り出してくる。
「例えばだよ。
2時間ぐらいずっと
窓から外を眺めてる人がいるの」
「………」
「しかも真剣に
ずっと見てるんだよ。
それってどう思う?」
私は花井晴樹のことを相談した。
名前は明かさないまま…
知られてはいけない。
私が花井晴樹と会ってることを。
約束があるから…。
でもあの男のことは
気になるから相談した。
でも今はまだ言えない。
親友でも、今
言っていいことじゃないから。
「それって、男?」
「…まぁね」
そして重たい溜息を吐いた。
そして物思いにふけるように
私は空を眺めた。