図書室のラブレター



結依も沙菜さんも顔が
引きつっているのが分かる。



周囲を理解できるほど、
私は冷静になっていた。



痛いとか辛いとかより、
冷静に戻っていた。




「行って来いよ」




龍慈君は私に
もう一度、告げる。



私は頷いて、
走り出していた。



私、行かなくちゃ。


走らなくちゃ。



今の瞬間が
とても大切だから。


とても
かけがえのない時だから。



今日じゃなきゃ、
今じゃなきゃいけないの。



あなたをもう待てない。


待っちゃいけない。



わたしが追いかけて
距離を縮めるの。


そうでしょ?



それで私が思った事、
考えた事、行動した事、
全てを話すの。


ぶちまけるの。



晴樹君なら、
聞いてくれるでしょ?


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