図書室のラブレター

Only you―あなただけ―




そして私は
彼の家の前に到着した。



さっきからチャイムを
鳴らし続けている。


しかし応答はなかった。




「なんで出ないのよ…」




ピンポン、
ピンポンピンポン!! 




「今は自宅謹慎中でしょ!」




半分イライラしながらも
何度も鳴らす。




「そんなことしても
無理だって!」


「え?」




振り返ると龍慈君がいた。



走って来たのだろう、
息が切れていた。


そしてこっちと指でさす。



それは
晴樹君の家の庭だった。



かなり戸惑った。


しかし今の私には
立ち止まる暇もない。



そこで私は龍慈君に従って
壁を乗り越えて庭に侵入する。



すると龍慈君は
そのまま帰って行った。


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