図書室のラブレター
だって今はそんなこと
考えていられない。
彼はやっぱり
噂通りなのだろうか。
今までこっそりと見ていた姿は
嘘だったのかな?
それとも完璧な私の勘違い?
思い過ごし?
じゃあどうして
本棚から守ってくれたの?
もう、訳が分からない。
一度落ち着こうと
本を手に取った。
これ以上関わっちゃいけない。
ちゃんと分かっている。
突き放されたから、
もう追いかけてはいけない。
「私は迷惑ばかりかける
人間だから。」
だから手元にある本を開いて
続きを読もうと文字を追って、
頭に入れようと頑張ってみた。
でも頭に入ってこない。
一番大好きな私の時間。
こんなにも思い通りに
いかないのは計算外だった。