図書室のラブレター



「は?だから今日見ただろ?
あれが真実で…」


「違う。やっぱり何か違うよ。
何かが違うの。

噂なんて絶対にでたらめだし。
何か理由があるんでしょ?」




――はぁ



大きな溜息を横でつく花井君。



そんなにも
おかしなこと言ってる?




「なんでいつも自分から
勝手に突っ込んでくるかなぁ」


「へ?」


「だから巻き込みたく
なかったんだって。
ややこしくなるだろ。
危ない目にあわせたくない」




かなり照れた顔は
また新鮮だった。



暗くて
よく分かりにくいけどね。




ただ私のことを
心配してくれてたってことが
何よりも嬉しかった。




「うん、ありがと!」




やっぱりいい人だよね、
花井君は。


< 67 / 293 >

この作品をシェア

pagetop