聖花学園~花よ咲き誇れ~
脅迫
和子先輩のキス事件は、結局何の波風も立たずにわたしの記憶にだけ残った。
直後は色々考えて、授与式のことを忘れるくらい混乱していたけれど、肝心の和子先輩が何事もなかったように接しているので、何だか拍子抜けした気分だ。
と、予想外の出来事もあったけれど、授与式まであと一日。
明日を待つばかりとなる。
「桂様、明日楽しみですね。私もうずっと前から桂様の花号考えてたんですよ?」
「私は迷ってるんです。桂様にお似合いの花って結構あるんですよね」
放課後、帰る準備をしているとクラスメイトが話しかけてきた。