聖花学園~花よ咲き誇れ~

脅迫



 和子先輩のキス事件は、結局何の波風も立たずにわたしの記憶にだけ残った。

 直後は色々考えて、授与式のことを忘れるくらい混乱していたけれど、肝心の和子先輩が何事もなかったように接しているので、何だか拍子抜けした気分だ。


 と、予想外の出来事もあったけれど、授与式まであと一日。
 明日を待つばかりとなる。





「桂様、明日楽しみですね。私もうずっと前から桂様の花号考えてたんですよ?」
「私は迷ってるんです。桂様にお似合いの花って結構あるんですよね」

 放課後、帰る準備をしているとクラスメイトが話しかけてきた。

< 112 / 380 >

この作品をシェア

pagetop