聖花学園~花よ咲き誇れ~
「小ー都ー子ちゃん!」

「ぎゃあ!?」


 突然、背後から誰かに抱きつかれた。


「あはは、びっくりした? オレ、翔だよ」


 ちょっと首を巡らすと、確かに翔子先輩の顔があった。


「当たり前です! もう~他の生徒だったらどうしようかと思ったじゃないですか。変な声出しちゃったし……」


「大丈夫だよそれくらい。授与式が終わったからには、もう小都子ちゃんは誰がなんと言おうとフラワーなんだから。そんなちょっとやそっとの奇声で危ぶまれたりはしないよ」


 頭上から降ってくる声に、「そうなんですか……?」と疑問のような返事をした。





 ………………えーっと。

「あの、もう離してくれませんか?」

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