聖花学園~花よ咲き誇れ~
 珍しい、帰ってたんだ。

「お母さん、ただいまー」


 玄関で少し大きめの声を上げると、居間の方から「おかえりー」と聞こえてきた。


 わたしは真っ先に居間へ向かう。


「どうしたのお母さん? こんな時間にいるなんて珍しいね?」

 居間に入ると同時に聞いた。



「あんたの学校から電話がかかってきたから急いで帰ってきたのよ。五月から寮住まいになるんでしょう? 早めに荷物とかまとめておかないと」


 その言葉で、既に話は通っているのだと知った。


「……反対はしないんだ……?」

 別に反対して欲しかったわけじゃないけど、母のあまりにもあっさり過ぎる反応に、つい聞いてみたくなったんだ。



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