聖花学園~花よ咲き誇れ~
 寮に戻った後もわたしの怒りは治まらず、美味しいはずの学園長の料理も味なんて良く分からないまま喉を通り過ぎるばかりだった。


 夕食を終えると、わたしはすぐに自室に戻る。




 楽しいはずの夕食の雰囲気をわたしが潰してしまった。


 皆に悪いとは思いつつも、やっぱり流依への怒りは治まらない。



 それどころか、シャワーを浴びているときに鎖骨の辺りにキスマークが残っているのが見えて、怒りはますます増した。

 そんな気分で何かをする気も起きず、わたしはいつもよりかなり早くベッドに入る。


 目を閉じると観覧車の中での流依が脳裏に蘇った。


「何なのよ……流依のばかぁ……」

 わたしの怒りは治まる事も無く、泣きながら眠りについた。

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