聖花学園~花よ咲き誇れ~
「そう? ……それじゃあ着替えて、簡単なものだけでも荷物まとめちゃいなさい」

 そう言って母はわたしを二階の自室へと追いやった。




 どんな説明をされたのか検討もつかないが、突然の事で不安になったりしないのだろうか?


 ……しないんだろうな。



 きっと母の中では、あくまでわたしは『女子』高の寮に行くということになっているだろうから。

 まさかその寮が男子寮と化しているなんて欠片も思って無いんだろう……。



 はあ……。


 またもやため息をつく。

 きっとわたしのため息はこれからどんどん増えるんだろうな。


 自室で下着などをバックに詰め込みながら、わたしはそんなことを思った……。


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