ばうんてぃ☆はうんど・vol.2~鷹の目の向こうに《改訂版》
『Oh...』
『Just a moment, honey.』
なんかSNSの交換が始まった。ごっついヤローどもが、茶髪でメガネっ娘のコスプレギャルと写メって連絡先交換してやがる。世も末だ。何が『ハニー』だ、全く。
10分くらいしてようやく終わった。コーヒー1杯とダヴィドフ2本も吸っちまったぜ。
ちなみにだいたいどこのネストも喫煙オーケーだ。それだけBHの喫煙率が高いってことだろう。ロクデナシが多いからな。
「さ、行くよ」
人を待たせておいて、ケロっとしてやがる。こいつはどんな教育されてきたんだ。あかり'sパパとママ、しっかりしてくれよ。剣術教える前に、常識教えといてくれ。面倒見きれねえよ。
ちなみに剣術は、グランパに教わったそうだ。
 
ネストから外に出てすぐ、道路の奥から1台のボロいセダンが猛スピードで飛び出してきた。
「待ちやがれ!」
さらにその後ろを1台のバイクが追いかけている。古いハーレー。最低だ。
ライダーが怒鳴りちらしているが、待てと言われて待つバカはいない。メットかぶってるから声も聞きとりづらいし。そもそも車に乗ったやつに聞こえるわけもない。
一目見て、すぐにBHとターゲットだとわかった。同業者だからな。
ディルクが腰のホルスターからグロックを抜き、セダンに向けすばやく発砲。弾は右フロントタイヤを破壊し、コントロールを失ったセダンはそのまま交差点の先の電柱に激突して止まった。
別に手助けしてやる義理はないんだが、下手なカーチェイスやドンパチやられて、目の前で無関係なガキや、老化防止でジョギングに精を出すじじいが巻き込まれるのを見せられるのは実に寝覚めが悪い。
あかりがスケボーに乗って飛び出し、俺もすかさず後を追う。
運転席から男が転がり出てきて、こちらに向けて発砲してきた。だが狙いが甘い。弾は俺にもあかりにも当たらず、明後日の方向のビルの壁に命中する。
俺は腰のホルスターからP226を1丁抜き、3発撃ち込む。男がひるんだところへあかりが突っ込み、どてっ腹にスケボーを叩き込みながら、鞘に納めたままの忠吉で顔面を殴りつけた。
すげえ痛そう……
男は後ろに吹っ飛ばされて気絶した。
ディルクも男の元へやって来たところへ
「いやー、すまねえ。助かったぜ、兄ちゃん達」
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