哀のウタ
*
夏がきました

もう3年がたちました

あなたがいない3年は

いつもと変わりませんでした

ただ

家に帰ればいる気がするんです

だから

でも

家に帰るといないんです

現実を

みると悲しくなります

時々

あなたのおにぎりを思い出します

あなたのおにぎりは世界一です

時々

あなたの最期を思い出します

気づけば泣いています


あなたに取り残された

多くの人たちは

あなたの変わらぬ写真を見ながら

老いていきます

あなたに、近づいていきます

成人式を見て欲しかった

卒業式を見て欲しかった

就職する様を見て欲しかった


願いは いくらでも出てきて

涙に変わります


あなたに取り残された

あなたの最愛の人は


生きるのがつらい


最近よく言います

生きて欲しいとは言えません

今、息をするのも辛いのを知っているから

無理やり生きているのを

知っているから


でも

私たちは弱いから

まだ、死なれたら困るのです


だからまだ、連れていかないで



また一つ夏を越えて

毎日毎日悲しみを越えて

ふとした瞬間の

猛烈な悲しさを越えて




夏は

好きです

夏は

カナシいです


またあなたのいない夏が

過ぎて行きます
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