star dust
「2人とも…私のこと忘れてない?」


すっかり自分達の世界に入ってしまっていた俺らを彼女は苦笑い


『仲良しなの−』と初音が理由になってない返事をし,それに彼女は笑顔で応対していた



「すみません,…え−っと」


「あっ私,ゆうって言うんです」


“ゆう”それは今俺達が探している人の名前と同じ


でもぶっちゃけてしまうと縁には全然似てない


初音の方が血縁者っぽい



「失礼ですが名字は?」


「えっ?
 花崎ですけど…」


やっぱり違う


だいたいこんな偶然ないよな,普通



「音緒ちゃん!
 ゆんちゃんの事気になるの?」


あまりに見ていたせいか,初音にジトーっと睨まれてしまう


気になるといえば気になるから頷いてみせると初音の頬が膨れた



「だってゆうさん初音にそっくりなんだもん」


「それ看護師さんにも言われた−
 姉妹だったらいいのに…私にはいないからなぁ
 他人の空似ってあるんだねぇ」


初音の血縁者でもない


この人何かありそうなんだけどな…


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