star dust
…俺が部屋を出て10分後



「入っていいわよ−」


母さんの嬉々とした声で中に入る



「車の中の忘れ物取ってくるわ」


気を利かせたのか出て行った母さんだけど…いてほしかった


目の前にいる初音は凄く可愛くて,変に緊張してしまうから



「音緒ちゃん,これって何がどうなってるの??」


初音の疑問は無理ないが,答える余裕はなかった


戸惑いつつも服が気に入ったのか,何度も鏡の前に立ち,嬉しそうにしている



「初音ちゃん,これはオマケね?」


どうやら本当に忘れ物だったらしい


母さんは初音の首に手を回した



「可愛いわよ
 今日は楽しんで来てね!!」


「へ!?
 何のこと…??」


母さんはバッと俺を見て『まだ言ってないのか』と目で訴えてくる



「初音」


「ん??」


「驚くなよ?
 おまえの外出許可がおりたんだ」


初音の動きが止まる


そして瞳に涙を溜め,『本当…?』と呟いた


笑顔で頷くと,初音は俺に飛びついた


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