遊女と経営者の恋愛事情-Ⅱ-
龍也さんが居なくなってから五ヶ月。
最近…無性に声が聞きたくなる。
龍也さんの声が聞きたい。
たった一言でいいから…。
会話はなくてもいいから…。
ただ…あなたの声が聞きたい。
もう…戻って来てくれないんじゃないかって…。
嫌な事ばかり…考えちゃうの……。
「………龍也さん…」
窓の外の景色を見つめた。
辺りは静まりかえっていて
鈴虫の鳴く音しか聞こえない。
車のエンジンの音がする度に
龍也さんじゃないかなって…。
毎日…期待してしまう…。