【 LOVERS 】
『うぁ~・・・』
重い体を起こし窓の前に立つ、
外に目を向けると
叶夜が気づいたかと思うと
こっちに向かって投げKissをした。

ありえない・・・

僕はそれを見て鼻で笑っていた。


ハァ~・・・
僕は今日、叶夜に抱かれながら
ずっと繭さんのことを考えていた。

だから妙に興奮したんだ・・・


多分彼はゲイ

ネコ・・・かな?


窓の外を久々に眺める。
TVがまだ家に入ってない頃
この窓枠が僕のTVだった。

この辺はラブホテル街で
下手なドラマを見るより面白い。

様々な人間模様を見てきた。


『えっ?!』

近くに転がってるデニムを
パンツも履かずそのまま急いで
はき、シャツを掴むと
1階までの階段を一気に駆け下りる。

バン――
シャッターの横のドアを開け
外にでて左右を見る。

いない・・・

一瞬、繭さんかと思った


あぁ・・・
幻覚まで見えるようになった

重症だ・・・

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