【 LOVERS 】
別に普通のことだろ?

『今日はここのホテルに
泊まるの?』

『明日は何してる?』

そんな言葉が繭の前だと
言えなくなる。


繭が仕事関係の人と
一緒にいるから遠慮した?


臆病なだけかもしれない。

誘って断られるのが怖いだけ・・・


僕の性格ってこんなだっけ?


次の日の朝8時頃に携帯が鳴った。

家に帰って繭のことを考えていると
眠れなくなり、朝日が昇る頃
ようやく眠りにつけたのに・・・

♪~♪~♪~♪~・・・

♪~♪~♪~♪~・・・

最初は無視した携帯電話の音。

何度も繰り返す着信音に

『・・は・・・い?』
寝ぼけながらでると

「稜ちゃん!
おはよ~~~!!
ヒマだよね?ヒマだね?!
今日つきあって♪」

朝から異様にテンションの
高いこの人は・・・

『・・・ん?奈央さん?
今日はちょっと・・明日が
休みだから明日で・・』

「ダメダメ!!
今日じゃないと絶対ダメ!
夕方には解放してあげるから♪」

場所と時間を告げられ、
一方的に電話を切られた。


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