俺様王子のヒ・ミ・ツ

本当の気持ち


あたしが急いで部屋から出て、
長い廊下に出ると


幸人が立っていた。





「幸人、あのね・・・」



あたしは息が上がりながらも
必死に幸人に言った。





でも、


「俺は忙しいから・・・」



そう言ってあたしの横を通ってドア
の前に来たとき






「あのとき、


 『今度は白百合学園で逢おう』

 って言って
 あたしを慰めてくれたのって


 幸人だったんだよね!?」





あたしが叫ぶように言うと・・・




「そうだよ。


 俺はあのとき、あずさのピアノを
 聞いて、

 もう一度逢いたい。って心から思った。


 でも、そう思ったのは俺だけだった
 ってことだろ。」




振り返って幸人はあたしにそう言った。












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